説明
前奏曲は変ホ短調、続くフーガは同じ響きの嬰ニ短調と、調の表記が前奏曲とフーガで異なることで知られる組の前奏曲です。調号にフラットが6つ並ぶ珍しい調で書かれ、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第8曲にあたります。
2分の3拍子で書かれ、ゆっくりとしたサラバンドを思わせる3拍子の中で、和音を分散させた伴奏の上に、装飾を伴う旋律が歌われます。音の密度は低く、和声の響きと旋律の間合いで聴かせる曲です。曲集の中でも特に内省的な雰囲気を持つ1曲とされています。音域はニ2からハ6までで、61鍵に収まります。
中級レベルで、このデータでは約3分4秒、680音と、長さに対して音数は控えめです。難しさは指ではなく、分散和音の響きを濁らせずに保つことと、ゆっくりした3拍子の中で旋律の流れを途切れさせないことにあります。黒鍵の多い和音の形にも慣れが必要です。再生速度を落として和音の形を確かめ、A-Bループで旋律の長いフレーズを繰り返し聴くと、表現の方向が定まります。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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