説明
短く引き締まったイ短調の前奏曲で、そのあとには第1巻で最も長いフーガの一つとして知られるイ短調のフーガが続きます。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第20曲です。
8分の9拍子で、主に2つの声部で書かれ、一方の手が示した動機をもう一方の手が追いかける模倣の書法で進みます。1小節を3つの大きな拍で刻む流れの中、両手が対等に動きを分け合い、休みなく先へ進んでいきます。音域はハ2からロ5までで、61鍵に収まります。続くフーガは4声の長大な曲で、前奏曲の2声の簡潔さとよい対照をなしています。
中級レベルで、このデータでは約1分13秒、608音と、短い中に音が詰まっています。8分の9拍子の3つの拍を感じながら、両手の動機を同じ明瞭さで弾くことと、手の移動を素早く行うことが課題です。2声の書法なので、手の色分けで動機の受け渡しが見やすい曲です。再生速度を落として模倣の関係を聴き取り、A-Bループで難しい箇所を区切りながら元のテンポへ戻していきましょう。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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