説明
半音階的な主題で知られるフーガの前に、落ち着いた歩みのヘ短調の前奏曲が置かれています。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第12曲で、第1巻の前半12曲はここで区切りを迎えます。
4分の4拍子で書かれ、一定の音型を保ちながら和声を進めていく書法で、低音がしっかりと土台を作り、その上で上声が短調の陰りを帯びた線を描きます。急激な変化はなく、同じ動きの中で和声の色合いが移り変わっていく曲です。音はハ2〜ハ6の範囲を出ないので、61鍵のキーボードで十分です。
中級レベルで、このデータでは約1分16秒、527音です。課題は、同じ型が続く中で和声の変化を聴き取り、それを音色の変化として伝えることです。低音を重くしすぎず、上声の線が自然に浮かぶバランスを探します。再生速度を落として低音と上声を手の色分けで追い、A-Bループで和声が大きく動く箇所を繰り返すと、曲の流れが立体的に見えてきます。続く4声のフーガは長く重い曲なので、この前奏曲はその前の落ち着いた導入として弾くとまとまりが出ます。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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