説明
ルネサンス以来の声楽ポリフォニーを思わせる古い様式(スティレ・アンティコ)で書かれたことで知られる、ホ長調のフーガです。『平均律クラヴィーア曲集』第2巻の第9曲にあたります。
ホ長調、4声のフーガです。一般的な版では2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ)で記譜されます。長い音価による短く簡潔な主題が各声部に順に現れ、声部同士が重なり合いながら、静かで落ち着いた響きの中を進んでいきます。華やかな動きよりも、声部の線が組み合わさって生まれる和声の美しさで聴かせる曲です。
上級レベルで、このデータでは約2分54秒、1500音です。ゆっくりした長い音を保ちながら他の声部を動かすため、指の置き換えによるレガートと、4つの声部それぞれの線を途切れさせない集中力が求められます。再生速度を落として主題の入りを確かめ、A-Bループで声部が密に重なる箇所を繰り返すと、各声部の流れが追いやすくなります。派手な技巧がないぶん、音の長さを正確に保つことがそのまま音楽の質になる曲です。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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