説明
穏やかに歌う前半と、プレストで駆け抜ける後半。この対比が曲をはっきり二つに分けているホ短調の前奏曲で、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第10曲にあたります。
4分の4拍子の前半では、左手の16分音符の分散和音が絶えず流れ、その上で右手が装飾を伴う旋律を自由に歌います。後半はプレストに転じ、両手が速い16分音符で駆け抜け、そのまま一気に終わりへ向かいます。同じ音型の素材が、前半では伴奏に、後半では主役になる構成です。前半・後半とも音はハ2からハ6の間にあり、61鍵の鍵盤で弾けます。
上級レベルで、このデータでは約2分1秒、1143音です。前半では左手の分散和音を静かに保ちながら右手の旋律を歌わせるバランスが、後半では速いテンポで両手の16分音符をそろえる指の確かさが求められます。手の色分けで前半の伴奏と旋律の役割を確かめ、後半のプレストは再生速度を落としてA-Bループで区切って練習すると、無理なく仕上げられます。前半と後半で求められる技術がまったく異なるため、別々に仕上げてからつなぐのが近道です。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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