説明
シャープ7つの嬰ハ長調という、鍵盤音楽ではめったに使われない調で書かれたフーガです。軽快な主題が3つの声部を明るく駆け回ります。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻(1722年の自筆譜をもつ、長短24調の前奏曲とフーガ集)の第3番で、すべての調で書くという曲集の性格が最もよく表れた一曲です。
嬰ハ長調、4分の4拍子の3声フーガです。主題は軽快で、3つの声部に受け渡されながら明るく駆け回ります。140秒で1387音と、ここに収めた第1巻のフーガの中でも音の密度は高めです。音域はC#2からC6までで、61鍵の鍵盤に収まります。白鍵と黒鍵の配置が他の調と大きく異なるため、指使いの組み立てが独特になります。
難易度は上級です。シャープ7つの譜読みに加え、軽快な速さの中で3声を均等に弾き分ける指の器用さが求められます。最初は再生速度を大きく落とし、楽譜表示で臨時記号と主題の入りを確かめてください。黒鍵の多い配置では手の位置が頻繁に変わるため、手の色分けで左右の分担を確認しながら指使いを決めておくことが大切です。難所はA-Bループで区切り、少しずつ速度を戻していきましょう。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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