説明
主題の短い中に12の音すべてが現れることで知られる、ロ短調の4声フーガです。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻を締めくくる1曲で、第1巻の中でも最も大きな規模を持つフーガの一つです。第1巻は24のすべての長調と短調を半音ずつ順にたどる前奏曲とフーガの曲集で、1722年に清書されました。バッハは前奏曲にアンダンテ、このフーガにラルゴと、曲集では珍しく速度の指示を書き込んでいます。
4分の4拍子の中、半音を多く含む主題が4つの声部に順に受け渡され、ため息のような下行の動きを伴いながら、重い和声の中をゆっくりと進んでいきます。
このデータでは約5分8秒、1809音あります。上級とされる難しさは速さではなく、ゆっくりした4声を同時に保つことにあります。主題がどの声部に入ったかを常に聴き分け、内声の主題も埋もれさせないことが課題です。再生速度を落とし、A-Bループで主題の入りを一つずつ確かめながら、手の色分けで2つの声部を片手で受け持つ箇所を見ておくと、全体の見通しが立てやすくなります。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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