説明
フラット4つの変イ長調で書かれた、明るく伸びやかな前奏曲です。曲集の後半の中でもとりわけ開放的な性格を持ち、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻では第17曲にあたります。
4分の3拍子で、冒頭の主題がまとまった形で示され、そのあと主題の断片と経過的なパッセージが交互に現れながら、いくつかの調を巡って進みます。冒頭の主題が曲中で繰り返し戻ってくる構成で、協奏曲の総奏と独奏の交替を思わせるとも言われます。音域は変ホ2から変ロ5までで、61鍵に収まります。続くフーガは4声で、前奏曲と同じ変イ長調の明るい響きを保ちます。
中級レベルで、このデータでは約1分14秒、660音です。大きな技巧的難所は少ないものの、黒鍵の多い調で3拍子の軽さを保つこと、主題が戻ってくるたびにそれと分かるよう輪郭をはっきりさせることが課題です。手の色分けで主題がどちらの手にあるかを追い、A-Bループで主題が戻る箇所を聴き比べると、曲の組み立てが見えてきます。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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