説明
華やかなニ長調の第5番のあとに置かれた、引き締まった短調の3声フーガです。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第6番にあたります。曲集は全体を通じてこの順序を守り、同じ主音の長調と短調を組にしながら24の調を上っていきます。自筆譜の表題は1722年です。
ニ短調、4分の3拍子の3声フーガです。主題は3拍子の中で動きをもって進み、3つの声部に受け渡されるうちに、上下を反転させた形(反行形)でも現れます。98秒で714音、音域はF2からC6までと低音域をあまり使わず、61鍵の鍵盤に収まります。厳格な書法でありながら、主題そのものが表情豊かで、理論の実演にとどまらない音楽になっています。
難易度は中級です。主題がもとの形と反転した形の両方で現れるため、それぞれを同じ主題として聴かせる意識が大切です。再生速度を落として楽譜表示で2つの形を見つけ、どの声部に現れているかを確認してください。手の色分けで中声部の受け持ちを決め、3拍子の拍感が崩れやすい箇所はA-Bループで繰り返すと、落ち着いた流れの中で3声をそろえられるようになります。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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