説明
素早く駆け上がる音型と付点のリズムが、フランス風序曲を思わせる堂々とした身振りを生むニ長調のフーガです。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第5番で、舞曲や序曲など当時のさまざまな様式がフーガに持ち込まれていることが、長短すべての調を巡るこの1722年の曲集の多彩さにつながっています。
ニ長調、4分の4拍子の4声フーガです。冒頭に示される主題が4つの声部に次々と受け渡され、華やかで儀式的な響きを作ります。93秒で772音、音域はD2からB5までで、61鍵の鍵盤に収まります。
難易度は中級です。主題が明快で耳で追いやすい一方、付点リズムの鋭さと細かな音型の速さを4声の中でそろえることが課題になります。再生速度を落として主題のリズムの形を楽譜表示で確かめ、各声部に主題が入る瞬間を聴き分けてください。手の色分けで4声の受け持ちを整理し、主題が重なる箇所をA-Bループで繰り返すと、堂々とした性格を保ったまま弾き通せるようになります。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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