説明
穏やかで牧歌的なホ長調の前奏曲で、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第9曲にあたります。第1巻は1722年に清書された曲集で、すべての長調と短調を半音ずつ順に巡ります。
ホ長調の8分の12拍子。ゆったりと揺れる8分の12拍子の中で、上声が歌うような旋律を描き、内声と低音がそれに穏やかに寄り添います。主に3つの声部で書かれ、劇的な対比よりも、和声の柔らかな移ろいで聴かせる曲です。音域はホ2からロ5までで、61鍵に収まります。
中級レベルで、このデータでは約1分29秒、423音と、第1巻の前奏曲の中では音数の少ない曲です。速さの難しさはなく、課題は上声の旋律を歌わせながら、内声と低音を柔らかく保つ音量のバランスにあります。8分の12拍子の大きな揺れを感じながら弾くことも大切です。手の色分けで声部の受け持ちを確かめ、再生速度を少し落として旋律だけを聴き取ると、歌わせ方の手がかりが得られます。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →