説明
短く印象的な主題が曲全体を前へ押し進める、ト短調の4声フーガです。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻では第16番にあたり、ト長調の第15番の軽快さのあと、同じ主音の短調で緊密な対位法が展開されます。1722年の表題をもつこの24調の曲集の中で、4声のフーガに初めて取り組むのに手頃な規模の曲です。
ト短調、4分の4拍子の4声フーガです。短く印象的な主題が4つの声部に次々と現れ、声部が重なるにつれて緊密な響きを作ります。短調でありながら停滞せず、主題の動きが曲全体を前へ押し進めます。123秒で747音と演奏時間と音数のバランスがよく、音域はC2からB♭5までで、61鍵の鍵盤に収まります。
難易度は中級です。4声のフーガとしては規模が手頃で、4つの声部を2本の手でどう分担するかを学ぶのに適しています。主題が入るたびにその声部をわずかに浮かび上がらせ、他の声部を控えることが課題です。再生速度を落として楽譜表示で4つの声部の入りを確認し、手の色分けで中の2声をどちらの手が取るかを決めてください。主題が重なる箇所はA-Bループで繰り返すと、声部の重なりが整理しやすくなります。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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