説明
5つの声部で書かれた、重厚な嬰ハ短調のフーガです。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻で5声のフーガはこの第4番と第22番変ロ短調の2曲だけで、第1巻の中でも特に規模が大きい作品として知られています。第1巻は、1722年の自筆譜に表題が記された、24の調それぞれに前奏曲とフーガを置いた曲集です。
嬰ハ短調、2分の2拍子の5声フーガです。わずかな音から成る、ゆっくりとした厳かな第1主題に、のちに動きのある別の主題が加わり、複数の主題が組み合わされながら積み上げられていきます。248秒で1290音、音域はC2からB5までで、61鍵の鍵盤に収まります。音の数自体は時間に対して多くありませんが、長く保たれる音が重なり合います。
難易度は上級です。5つの声部を2本の手で弾くため、長く保つ音を押さえたまま別の声部を動かす場面が多く、指の置き換えなどの工夫が欠かせません。まず再生を聴きながら楽譜表示で各主題の入りをたどり、再生速度を落として声部ごとの線を確認してください。手の色分けで左右の分担を整理し、声部が密集する箇所はA-Bループでじっくり聴き直しながら、響きの重なりを整えていきましょう。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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