説明
半音で進む動きを多く含む主題が、深い陰影を生むヘ短調の4声フーガです。『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の中でも特に暗い色合いをもつ一曲で、24の調を順に巡る第1巻のちょうど前半を締めくくる第12番にあたります。自筆譜の表題は1722年です。
ヘ短調、4分の4拍子の4声フーガです。主題は半音で進む動きを多く含み、4つの声部に順に重ねられるにつれて響きが厚みを増していきます。半音階的な線が重なり合うため、和声は複雑で、臨時記号も多く現れます。207秒で1325音、音域はE♭2からC6までで、61鍵の鍵盤に収まります。
難易度は上級です。半音階的な主題の譜読みに加え、4声が重なっても各声部の線が聴こえるように弾き分けることが求められます。演奏時間も長く、終盤まで響きのバランスを保つ持久力が必要です。再生速度を落として楽譜表示で主題の入りと臨時記号を確かめ、手の色分けで4声の受け持ちを整理してください。声部が密集する部分はA-Bループで区切り、響きを聴き直しながら少しずつ組み立てていきましょう。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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