説明
冒頭で上声が長いトリルを伸ばし、その下で他の声部が動き出す――印象的な始まりを持つト短調の前奏曲で、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻の第16曲にあたります。
4分の4拍子で、主に3つの声部で書かれ、トリルを伴う長い音と、16分音符で動く声部とが組み合わされて進みます。トリルの動機は曲中で繰り返し現れ、別の声部にも受け渡されます。落ち着いた足取りの中に、短調らしい陰りと緊張が保たれています。ハ2からハ6までの音域で、必要な鍵盤は61鍵です。続くト短調のフーガは4声で書かれています。
中級レベルで、このデータでは約2分57秒、534音です。音数は少なめですが、トリルを弾きながら同じ手で別の声部を動かす箇所があり、指の独立が課題になります。トリルを均等に保ち、旋律の流れを止めないことが大切です。再生速度を落としてトリルと他の声部の関係を確かめ、A-Bループでトリルの入る箇所を繰り返すと、無理のない指使いが見つけやすくなります。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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