説明
第1巻の同じ調の前奏曲が音型を通す練習曲風だったのに対し、このハ短調の前奏曲は2つの声部が対等に動く書法で書かれています。『平均律クラヴィーア曲集』第2巻の2曲目の前奏曲です。第2巻の前奏曲には、前半と後半をそれぞれ繰り返す二部形式で書かれたものが多く、この曲もその一つとされます。
ハ短調の4分の4拍子。主に2つの声部で書かれ、一方の声部が示した動きをもう一方が受け継ぎながら、休みなく進んでいきます。二声のインヴェンションに近い書法で、両手の線が絡み合う中で和声が移ろいます。音域はハ2から変イ5までで、61鍵に収まります。
中級レベルで、このデータでは約58秒、692音と、短い中に音が詰まっています。両手の動きを同じ明瞭さで弾き、どちらの声部も主役として聴かせることが課題で、テンポの推進力を保ちながら短調の緊張を描くことが求められます。2声の書法なので、手の色分けで線の受け渡しがよく見えます。再生速度を落として両手の対話を聴き取ってから、テンポを上げていくとよいでしょう。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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