説明
「平均律クラヴィーア曲集」第1巻の第1曲、前奏曲に続く4声のフーガです。前奏曲が和音だけでできていたのに対し、こちらは4本の独立した線だけでできています。同じハ長調の一対で、正反対の書法を並べてみせたところに、曲集全体の構えが表れています。
ハ長調の4拍子。主題は短く、装飾をほとんど持ちません。特徴は主題の重なり方にあり、前の声部が主題を歌い終える前に次の声部が入ってくるストレッタが、曲の中で繰り返し使われます。4つの声部が接近して重なるため、短い曲でありながら密度は高くなります。
中級とされますが、フーガの入門として易しいわけではありません。4声を2本の手で弾き分けるには、どの指がどの声部を担当しているかを常に把握している必要があります。声部ごとに分けて弾き、次に2声ずつ、最後に全体を——この順で進めるのが確実です。主題が入るたびに、そこをわずかに立てること。
バッハが作曲した鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集。全24調を網羅し、対位法の頂点とされる名曲集
「平均律クラヴィーア曲集」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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