説明
1809年に書かれたソナタ第25番の緩徐楽章です。速い両端の楽章に挟まれ、心を鎮めるような役割を持っています。ソナタ全体が小規模で取り組みやすい作品ですが、なかでもこの楽章は初級者向けとされ、ベートーヴェンのソナタに最初に触れる一曲としても選びやすいものです。
ト短調、8分の9拍子のアンダンテ。舟歌を思わせる緩やかに揺れる伴奏の上に、素朴な旋律が静かに歌われます。1小節を3つの大きな拍で感じる拍子で、その揺れが落ち着いた語り口とゆったりとした呼吸感を生んでいます。演奏時間は2分ほど、音数は800と控えめです。音域はハ2から変ホ6までで、61鍵の鍵盤に収まります。
技術的な難所は少なく、表現に集中して取り組める楽章です。課題は、伴奏の揺れを一定に保ちながら旋律を歌わせることにあります。伴奏が重くなると舟歌の柔らかさが失われるので、左手は軽く保ってください。再生速度を落として拍の流れをつかみ、A-Bループで旋律の一節を繰り返して、フレーズの終わりの音の収め方を丁寧に練習するとよいでしょう。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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