説明
ソナタ第5番の終楽章、プレスティッシモです。前の第2楽章アダージョ・モルトの穏やかな歌から一転して、疾走感のある音の連続が楽章全体を支配します。メヌエットやスケルツォを持たない3楽章構成のソナタを、短く鋭く締めくくる役割を担っています。
ハ短調、ソナタ形式。技巧的な走句が多く、両手が噛み合うように動いて緊迫感を高めます。勢いのまま突き進むかに見えて、終わりは勢いを収めるように静かに閉じられるのも印象的です。演奏時間は3分弱で音数は1974、1秒あたり11音ほどの密度です。音域はヘ1からヘ6までのちょうど5オクターブで、当時のピアノの鍵盤の幅に収まっています。
上級者向けで、テンポを保ったまま正確に音を運ぶ集中力と、指の反応の速さが問われます。速さに気を取られると強弱の対比が平板になりやすいので、弱音の箇所も明確に作ることが大切です。再生速度を落として両手の噛み合わせを手の色分けで確認し、A-Bループで区間ごとにテンポを上げていくと、崩れにくく仕上げられます。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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