説明
作品27第2番は、ベートーヴェン自身が「幻想曲風ソナタ」と題した作品で、速い楽章から始まるという当時の慣例を破り、緩やかな楽章を冒頭に置いています。「月光」という通称は本人のものではなく、死後に詩人レルシュタープが第1楽章をルツェルン湖の月光になぞらえた表現に由来します。
嬰ハ短調の2分の2拍子。三連符の分散和音が最初から最後まで途切れず流れ、その上に付点リズムの旋律が置かれます。楽譜には「きわめて繊細に、ダンパーを上げたまま」と記され、当時の楽器でペダルを踏み続けることが指示されています。5分ほどのあいだ、音量はほとんど上がりません。
課題は、三連符を機械的にしないことです。均等に刻むだけでは単調になり、揺らしすぎれば土台が崩れます。三連符は左手の低音と一体で聴き、旋律はその上にそっと置くこと。現代のピアノで指示どおりにペダルを踏み続けると濁るため、和声の変化に合わせて浅く踏み替える判断が必要になります。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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