説明
作品49の2曲は教育用に書かれた「やさしいソナタ」で、その第1番の冒頭楽章です。ト短調という調を選びながら、深刻さに傾かず、アンダンテの落ち着いた足取りで進みます。ベートーヴェンが初学者に何を求めたのかがよく分かる、抑制された筆致の楽章です。
ト短調の2分の4拍子。ソナタ形式ですが規模は小さく、第1主題の物憂い線に対して、第2主題は平行長調の変ロ長調で明るく開けます。展開部は短く、再現部では第2主題が主調のト短調に引き戻され、短調の色に染め直されて終わります。
技術的な要求は低く、ベートーヴェンのソナタへの最初の一歩として選びやすい楽章です。課題は音色にあります。同じ旋律が長調と短調で二度現れるため、その差を弾き分けられるかどうかが表現の分かれ目になります。急がず、アンダンテの歩調を最後まで保つことを優先してください。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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