説明
Op.2-1の第3楽章に置かれたメヌエットです。当時のソナタでメヌエットは長調で書かれるのが通例で、ハイドンやモーツァルトの用法を思えば、ヘ短調のメヌエットという選択そのものが若いベートーヴェンの主張でした。のちにこの位置をスケルツォが占めるようになる、その一歩手前の姿と見ることもできます。
ヘ短調の3拍子。舞曲の名を持ちながら踊れるような音楽ではなく、拍をまたぐ音型とシンコペーションが、三拍子の重心をたえずずらしていきます。中間のトリオはヘ長調に転じ、右手の分散和音が途切れずに流れる、対照的に穏やかな場面となります。
中級レベル、演奏時間も1分台と、このソナタでは最も短い楽章です。技術的な負荷は低いぶん、音楽の重心をどこに置くかがそのまま表に出ます。強拍を機械的に強めず、フレーズの方向に合わせて3拍子を組み立て直すこと、そしてトリオとの性格の差をはっきり描き分けることが鍵になります。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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