説明
「熱情」ソナタの終楽章です。第2楽章の最後に鳴る減七の和音を断ち切るように始まり、そこから最後まで休みなく動き続けます。7000を超える音数は、このサイトに収録されたベートーヴェンのどの楽章よりも多く、演奏時間も8分を超えます。
ヘ短調の2拍子。ソナタ形式ですが、繰り返しの指示が通常と逆で、提示部ではなく展開部と再現部が繰り返されます。形式の中心を後半に置くこの扱いは、この楽章が「解決に向かう音楽」ではなく「最後まで緊張し続ける音楽」であることを示しています。終結部ではプレストに加速し、一気に閉じられます。
上級曲の中でも体力の消耗が大きい楽章です。16分音符の連続が止まらないため、脱力できる場所を自分で見つけないと最後まで持ちません。速度は終結部を基準に決めること。冒頭を速く始めると、プレストで上げる余地がなくなります。全曲を通して弾く場合は、配分の設計そのものが演奏の一部になります。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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