説明
「熱情」ソナタの第2楽章です。「アパッショナータ」という通称は作曲者のものではなく、死後の1838年に出版社が連弾編曲に付けた名前が定着したものです。両端楽章の激しさに対し、この中間楽章だけが静けさを保ちます。
変ニ長調の2拍子。和音だけで書かれた簡素な主題に、3つの変奏が続きます。変奏が進むごとに音価が細かくなり、主題の輪郭はそのままに音の密度だけが上がっていきます。最後に主題が戻ったあと、音楽は解決せず、減七の和音が鳴ったまま次の楽章へなだれ込みます。
中級とされますが、扱いは繊細です。主題は和音の連なりだけでできているため、上声を歌わせられるかどうかで印象が決まります。変奏で音が細かくなっても、主題の拍節を見失わないこと。そして最後の和音は終止ではなく問いかけです。ここで音楽を閉じてしまうと、終楽章が始まる意味が消えてしまいます。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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