説明
「プレスト・アラ・テデスカ(ドイツ風に速く)」と記されたこの楽章が、1809年に書かれたソナタ第25番の冒頭を飾ります。同じ年のソナタ第24番と並ぶ小規模なソナタで、3楽章から成り、技術的にも比較的取り組みやすく、「カッコウ」の愛称でも親しまれています。
ト長調、4分の3拍子。プレスト・アラ・テデスカ(ドイツ舞曲風に)の指示どおり、軽やかで舞踏的なリズムが全体を貫きます。ソナタ形式で、展開部では左手が右手を越えて交差する動きが続き、目にも楽しい場面になっています。演奏時間は2分半ほどですが音数は2075と多く、1秒あたり約14音です。音域はト1からイ6までで、76鍵の鍵盤に収まります。
難易度は中級。テンポの速さゆえに敏捷な指の動きが求められます。手の交差では、腕の移動を早めに準備して拍の頭がずれないようにすることが大切です。手の色分けで交差する手の動きを確かめ、その区間をA-Bループで再生速度を落として繰り返すと、跳躍の距離感がつかめます。舞曲らしい3拍子の軽さを最後まで保ってください。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
ベートーヴェンの作品一覧を見る →