説明
1814年に作曲された、ピアノソナタ第27番 Op.90の第2楽章で、ソナタを締めくくる終楽章です。ベートーヴェンはこの楽章にイタリア語ではなくドイツ語で「速すぎず、よく歌うように」と指示を添え、旋律を歌うように演奏することを求めています。中期から後期への転換点にあたる作品で、内面的な抒情性が際立ちます。
ホ長調、4分の2拍子。ロンド形式で書かれ、穏やかで幸福感に満ちた主題が形を変えながら幾度も現れます。ホ短調の第1楽章に対し、同主調のホ長調で終わることで、ソナタ全体が静かな明るさへと向かいます。演奏時間は8分ほどとやや長く、音数は4014。音域は嬰ヘ1からイ6までです。
難易度は中級ですが、技術に加え、歌う旋律を丁寧に表現する力が求められます。主題が戻るたびに同じ弾き方にならないよう、伴奏の形の違いに耳を向けると変化がつけやすくなります。A-Bループで主題の回帰を一つずつ取り出し、再生速度を落として旋律と伴奏の音量の釣り合いを手の色分けで確かめながら練習するとよいでしょう。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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