説明
ソナタ第6番の終楽章、プレストです。機知に富んだ第1楽章、陰りのあるアレグレットに続き、このソナタを快活に締めくくります。フーガ風の対位法的な書法が取り入れられており、ベートーヴェンの知的な遊び心が最もよく表れた楽章です。
ヘ長調、4分の2拍子。単純な旋律の主題が、声部を追いかけ合うように次々と模倣されながら展開していきます。演奏時間は2分ほどですが音数は1915と多く、1秒あたり約16音の密度です。音域はヘ1からヘ6までの5オクターブに収まっています。
難易度は中級ですが、軽快なテンポの中で複数の声部を明瞭に弾き分ける技術が要求されます。主題がどの声部に現れたかを常に聴き取り、入ってくる声部を少しだけ際立たせると、追いかけ合いの構造が伝わります。2分ほどの短さの中で指の回転の速さも試されるので、再生速度を落として主題の入りを確認し、A-Bループで区間ごとに精度を上げてからテンポを戻すとよいでしょう。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
ベートーヴェンの作品一覧を見る →