説明
Op.2-1を締めくくるプレスティッシモの終楽章です。第1楽章のヘ短調が戻り、ソナタは出発点より激しい調子で幕を閉じます。ハイドンに献呈された曲集でありながら、終楽章のこの書き方はすでに師の語法から離れており、10年後の「熱情」Op.57の終楽章へまっすぐ延びる線の始まりにあたります。
ヘ短調。右手の三連符が絶え間なく転がり続け、左手がそこへ強奏の和音を打ち込みます。中間部だけは変イ長調に開け、sempre piano e dolce と記された穏やかな主題が現れますが、やがて三連符の渦に呑み込まれ、曲は最後まで速度を緩めません。
上級レベル。難所は単発の技巧ではなく、4分を超えて三連符を均一に保ち続ける持久力のほうにあります。速度を上げる前に、三連符の粒がそろう速さを見つけ、そこで左手の和音を正確に噛み合わせること。中間部の静けさをどれだけ本当に静かに弾けるかも、終楽章全体の起伏を決めます。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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