説明
16分音符で音階を駆け上がる主題が3つの声部を巡る、3声シンフォニア全15曲の最初の曲です。インヴェンションとシンフォニアは、1723年に清書された2声15曲・3声15曲の曲集です。バッハは序文で、2声と3声をきれいに弾き分けること、旋律を歌うように弾くこと、そして作曲の手ほどきを得ることを目的に挙げています。2声のインヴェンションで身につけた技術に、もう1声部を加える段階にあたる曲集です。
ハ長調、4分の4拍子のこの主題は、3つの声部に次々と受け渡されていきます。上行する形だけでなく、向きを反転させた下行形も現れ、同じ素材がさまざまな位置で組み合わされます。75秒で557音、音域はC#2からC6までで、61鍵の鍵盤にも収まります。
中級向けですが、2声に比べて格段に難しくなるのは、2本の手で3つの声部を弾く点です。中声部はある時は右手、ある時は左手が受け持つため、どの指で取るかを決めておくことが大切です。手の色分けを見れば、中声部がどちらの手に渡っているかが一目で分かります。主題が入ってくる箇所をA-Bループで聴き比べ、再生速度を落として3つの線を同時に追う耳を育ててください。
2声インヴェンションの発展形として作曲された3声の対位法練習曲集。より複雑なポリフォニーを学べる。BWV787-801
「3声のシンフォニア」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
このコースのゴール、シンフォニア(三声のインヴェンション)第1番 ハ長調。音階を駆け上がる16分音符の主題が声部から声部へ受け渡され、下降する逆の形でも現れます。2本の手で3つの声部を弾く段階です。
練習のポイント
- 真ん中の声部は、右手が弾くところと左手が弾くところがあります。流れる音符の色で、いまどちらの手が受け持っているかを確かめ、指使いを先に決めましょう。
- 0.5倍速で、3本の旋律線を耳で追えるか試します。一つの声部だけを口ずさみながら聴くのも良い練習です。
- A-Bループで主題が入ってくる場所を一つずつ切り出し、どの声部に現れたかを聴き比べます。
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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