説明
半音ずつ下がっていく低音や、ため息のように2音ずつ落ちる音型など、バロック音楽で嘆きを表すのに用いられた語法を集中的に使った、3声シンフォニアの第9番です。曲集の中でも特に深い表情をもつ曲として知られています。
ヘ短調の4分の4拍子の中で、半音階で下行する線、ため息の音型、短い動機という性格の異なる素材が組み合わされ、それらが声部を入れ替えながら何度も重ねられていきます。半音階的な進行が多く、和声は曲集の中でも際立って複雑です。123秒で650音、音域はC2からC6までで、61鍵の鍵盤に収まります。
上級とされる難しさの中心は、音の数よりも、半音階的な線の譜読みと、3つの素材を同時に聴き分けることにあります。再生速度を大きく落とし、楽譜表示で各素材がどの声部にあるかを確認してください。手の色分けで受け持ちを整理すると、下行する低音の線が見えやすくなります。響きの変わり目をA-Bループでじっくり聴き、急がずに一音ずつ重みを感じながら進めることが、この曲の表情につながります。
2声インヴェンションの発展形として作曲された3声の対位法練習曲集。より複雑なポリフォニーを学べる。BWV787-801
「3声のシンフォニア」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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