説明
757音とここに収めた15曲で最も音が多く、短い演奏時間に細かな動きがぎっしり詰まった、技巧的なイ長調の3声シンフォニア第12番です。曲集の終盤の入口にあたり、第11番の流れるような短調から一転して華やかな長調に移ります。
3つの声部は4分の4拍子の中でほとんど休みなく動き続け、主題と対旋律が絡み合いながら進みます。96秒で757音という密度は曲集の中でも際立って高く、細かな音の連なりが明るい調の響きを作ります。音域はE2からB5までとやや狭く、61鍵の鍵盤に収まります。シャープ3つの調です。
上級の曲として指の敏捷さが強く求められるうえ、音が密集する中で各声部の線を聴き分けられるように弾く必要があります。まず再生速度を大きく落とし、楽譜表示で3つの声部を一つずつ追ってみてください。手の色分けで、右手が2声を受け持つ部分を確認しておくと指使いが決めやすくなります。難所はA-Bループで区切り、正確さを優先しながら少しずつ元の速さに近づけていきましょう。
2声インヴェンションの発展形として作曲された3声の対位法練習曲集。より複雑なポリフォニーを学べる。BWV787-801
「3声のシンフォニア」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →