説明
第9番の重い短調の後で、明るいト長調へと気分を切り替える3声シンフォニアの第10番です。3つの声部が快活に動き回る曲で、同じ主音のト短調の第11番と組をなしています。
主題は4分の3拍子の中で声部から声部へと受け渡されていきます。87秒で623音と、短い時間に比較的多くの音が詰まっていて、細かな動きが途切れずに続きます。音域はD2〜C6で、61鍵あれば足ります。シャープ1つの調で、譜読みの負担は軽めです。主題の受け渡しを追っていくと、3声が対等に動く書法の典型がよく分かります。
調の読みやすさに比べて音の動きは細かく、中級の課題は、3拍子の拍感を保ちながら指を均等に動かすことです。再生速度を落として主題がどの声部に現れるかを楽譜表示で追い、手の色分けで左右の分担を確かめてください。速い動きが重なる箇所はA-Bループで区切って練習し、少しずつ速度を上げていくと、明るい表情を保ったまま弾き通せるようになります。
2声インヴェンションの発展形として作曲された3声の対位法練習曲集。より複雑なポリフォニーを学べる。BWV787-801
「3声のシンフォニア」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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