説明
左手がほとんどずっとニの音を鳴らし続け、バグパイプの持続音を写す、ニ長調のミュゼットです。ミュゼットはバグパイプに似たフランスの民俗楽器の名前で、その楽器を思わせる田園風の曲を指す言葉でもありました。作者は特定されておらず、1725年に始められたアンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳に、バッハ家で日々弾かれた小品のひとつとして書き留められています。
ニ長調、2拍子。左手のドローン(持続音)はほとんどの小節で途切れません。その上を右手が跳ねるように歌い、単純な和声のまま最後まで押し切る明るさが、この曲の魅力です。中間で短調の影がよぎりますが、すぐに元の田園の光景に戻ります。
20秒あまりで弾き終わる、このサイトでもっとも短い部類の曲です。音域は4オクターブに収まり、指広げも要りません。練習の的は左手にあります。ドローンを一定の音量で、しかし固くならずに刻み続けられるか。右手の軽い跳ねと左手の一定の拍が噛み合ったとき、田舎の踊りの空気がはじめて立ち上がります。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
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この曲で身につけること
これも「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」の定番曲です。左手がオクターブの跳躍を繰り返す、バグパイプを思わせる明るい舞曲で、左手をリズムを担う独立したパートとして弾く練習になります。
練習のポイント
- 左手のオクターブは、手を開いた形を保ったまま移動します。左手だけを0.5倍速で繰り返しましょう。
- 短い曲なので、全体をループして何度も通すのがおすすめです。
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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