説明
バッハが1720年、長男ヴィルヘルム・フリーデマンの鍵盤教育のために書き始めた『ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集』の最初に置かれた曲です。題名の「アプリカツィオ」は運指を意味し、バッハ自身が指番号を書き込んでいます。装飾音の表に続いてこの曲が置かれ、学習の第一歩を示しています。
ハ長調の4分の4拍子。右手の旋律と左手の低音による2声の書法で、旋律には装飾音が添えられています。25秒で113音とごく短く、音域はC2からA5までで、61鍵の鍵盤に収まります。
初級レベル。音は少ないものの、バッハが示した運指に従って指を順に使うこと、装飾音を拍の流れの中に収めることが目的の曲です。再生速度を落として装飾音の入り方を確かめ、A-Bループで短い区切りを繰り返すと、指の動きを一つずつ確認できます。手の色分けで両手の役割を見ながら、まず片手ずつ弾くとよいでしょう。後の小前奏曲やインヴェンションへ進む前の入口にあたる一曲です。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
「ピアノ小品」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
フリーデマンのための「クラヴィーア小曲集」の最初の曲で、題名は「指使い」という意味です。バッハ自身が指番号を書き込んでいます。ハ長調、4/4拍子で、右手の旋律と左手の低音の二声で書かれ、旋律には装飾音がつきます。
練習のポイント
- 手持ちの楽譜にバッハの指番号が載っていれば、その通りの指で弾いてみましょう。決められた指で弾くと、手の位置の移り方が自然に身につきます。
- 装飾音は0.5倍速にして、どの音から始まり、どこで拍に収まるかを流れる音符で確かめます。
- ごく短い曲なので、全体をループして片手ずつ何度も通します。
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →