説明
パイプの煙から人の一生の短さを思う歌「わがパイプを手にするたび」を、鍵盤で弾くニ短調のアリアです。この主題は当時ありふれたものでした。アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳に書き込まれたもので、声楽曲がそのまま鍵盤の小品として弾かれてきたのは、この帳面らしいところです。
ニ短調の3拍子。歌の旋律がそのまま右手に置かれ、左手は和音を支えるだけの簡潔な書法です。30秒ほどの短さですが、短調の落ち着いた陰りと、フレーズの終わりごとに息を継ぐような間が、歌であったことをはっきり示しています。
音数は100に満たず、音域も3オクターブ。初級者にとっては、指の課題よりも歌わせ方の課題が前に出る曲です。歌詞のある旋律だと考えて、どこで息を継ぎ、どの音を長めに保つかを決めてから弾くと、短い曲であるほど表情の差がはっきり出ます。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
「ピアノ小品」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →