説明
ショパンの劇的なポロネーズより100年前、家庭で気軽に弾かれていたポロネーズの姿を伝えるヘ長調の一曲で、BWV Anh.117aの番号を持ちます。ポロネーズはもともとポーランド由来の行列の舞曲で、18世紀のドイツの宮廷や家庭でも流行していました。この曲は「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」に収められた、簡潔で親しみやすい小品です。
ヘ長調の3拍子。ポロネーズらしい、1拍目に始まって2拍目に重みが移るリズムの型が全体を支えます。旋律は音階と分散和音を素直に組み合わせたもので、和声も明快です。前半・後半それぞれを繰り返す二部形式で、1分弱で終わります。
音数は230ほど、音域も4オクターブ。初級者が最初に出会う舞曲として扱いやすい規模です。練習の要はリズムの性格づけで、3つの拍を均等に並べるのではなく、ポロネーズ特有の重心の置き方を守ること。左手を控えめに抑え、右手の跳ねる音型を前に出すと、舞曲としての弾みが出てきます。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
「ピアノ小品」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →