説明
チャイコフスキーの「子供のアルバム」作品39(1878年)の第16曲では、古いフランスの旋律がごく素朴な形で歌われます。全24曲からなるこの曲集は、シューマンの「子どものためのアルバム」に触発されて書かれ、甥のヴォロージャ・ダヴィドフに献呈されました。この旋律は作曲者の創作ではなく、16世紀フランスのシャンソンに由来し、のちにオペラ「オルレアンの少女」でも用いられています。
ト短調の2拍子。単純な旋律が二度繰り返され、そのあいだに短い中間部が挟まれます。伴奏は和音を静かに刻むだけで、旋律の素朴さを損ないません。1分ほどの曲で、音数は190足らず、音域も3オクターブに収まります。
技術的な難所はなく、初級者が1日で譜読みを終えられる曲です。課題は、素朴な旋律をどこまで歌わせるかの加減にあります。過剰に表情をつけると民謡らしさが消え、何もしなければ平板になります。フレーズの頂点を一つだけ決めて、そこへ向かう——それだけで、短い歌に呼吸が生まれます。
チャイコフスキーが1878年に作曲した24曲のピアノ小品集。子供向けながら音楽的に充実した名曲揃い
「子供のためのアルバム」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
チャイコフスキーの「子供のためのアルバム」から、哀愁のある旋律をたっぷり歌う小品です。音量の変化(強弱)で表情をつける練習になります。
練習のポイント
- フレーズの山に向かって少しずつ大きく、終わりに向かって小さく。一つのフレーズを一息で歌うつもりで弾きます。
- 左手は和音で支える役です。旋律より常に一段小さく保ちましょう。
- 気に入ったフレーズをループして、毎回少しずつ違う強弱で弾き比べてみるのも良い練習です。
作曲家について
ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893)
ロシアを代表するロマン派の作曲家で、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」などのバレエ音楽で世界的な名声を確立しました。西欧的な様式とロシア的な旋律美を融合させた作風が特徴で、子供のための教育的なピアノ曲集「子供のアルバム」も広く親しまれています。本サービスには同曲集と「四季」の小品など7曲を収録しています。
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