説明
落ち着かない気持ちを、休符のほとんどない絶え間ない動きで表した曲で、題は「心配」です。「25の練習曲」作品100の第18曲にあたります。「不安」という抽象的な感情を、具体的な音型の反復に翻訳してみせるところに、この曲集が単なる技術課題集に終わらない理由があります。
細かい音型が駆け上がっては下り、短い動機が執拗に繰り返されます。ホ短調の2拍子で27秒という短さに320を超える音が詰め込まれ、1秒あたりの音数は曲集でも最多に近い部類です。短調の和声は解決を避けながら進み、落ち着かなさを保ったまま終わります。
速い動きを保ちながら、緊張の質を作ることがここでの課題です。音量を上げれば緊張が出るわけではありません。むしろ抑えた音量のまま速さを保つほうが、内側に張りつめた感じが出ます。手首を固めずに腕から支え、最後まで音量を上げすぎないこと。短い曲なので、一息で弾き切る集中力が求められます。
ブルグミュラーが作曲した初心者向けの練習曲集。曲ごとに標題が付き、技術と音楽表現を同時に学べる定番教材
「25の練習曲 Op.100」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
「心配」。ホ短調で、落ち着きなく繰り返される短い音型が不安な気持ちを表します。前半で学んだ2音のスラーとスタッカートを、速めのテンポで使いこなします。
練習のポイント
- スラーの2音目とスタッカートは、どちらも短く切れますが性格が違います。0.75倍速でその違いを確かめましょう。
- ここまで来たら、最初の「素直な心」に戻って弾いてみてください。手の動きがどれだけ変わったかがわかります。
作曲家について
ヨハン・ブルグミュラー (1806-1874)
ドイツに生まれ、後半生をパリで過ごした作曲家です。バレエ音楽「ラ・ペリ」の作曲でも知られますが、今日最も親しまれているのは「25の練習曲」Op.100に代表される教育用ピアノ曲集で、初学者にも弾きやすい親しみやすい旋律が特徴です。本サービスでは、「素直な心」「アラベスク」をはじめ、25の練習曲 Op.100の第1番から第18番を収録しています。
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