説明
「進歩」という題そのものが、技術的な狙いを告げている曲です。「25の練習曲」作品100の第6曲で、ここまでの5曲で扱ってきた要素を踏まえ、より音階的な動きに踏み込む位置に置かれています。標題付き練習曲という形式の利点は、こうして学習の段階が曲名から見て取れる点にあります。
音階を駆け上がり駆け下りる音型が両手に現れ、同じ形を左右で受け継ぐ場面が続きます。4拍子で書かれ、調号を持たないハ長調が選ばれているのは、指の運びだけに集中できるようにするための配慮です。
ポイントは、音階を弾くときの指くぐり——親指をくぐらせる動作を滑らかに行うことです。ここで手首が上下に跳ねると、音階の途中に段差ができます。親指を早めに準備し、手全体を進行方向へ静かに移動させること。テンポを上げる前に、片手ずつ音階だけを取り出して練習すると効果がはっきり出ます。
ブルグミュラーが作曲した初心者向けの練習曲集。曲ごとに標題が付き、技術と音楽表現を同時に学べる定番教材
「25の練習曲 Op.100」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
「進歩」。音階が中心の曲です。親指をくぐらせて手の位置を移す「指くぐり」を、両手で確かなものにします。
練習のポイント
- 指くぐりの瞬間に音が途切れたり大きくなったりしやすいので、そこだけをループで繰り返します。
- 左右で音階が同時に進む箇所は、まず片手ずつ0.5倍速で。指づかいが決まってから合わせましょう。
作曲家について
ヨハン・ブルグミュラー (1806-1874)
ドイツに生まれ、後半生をパリで過ごした作曲家です。バレエ音楽「ラ・ペリ」の作曲でも知られますが、今日最も親しまれているのは「25の練習曲」Op.100に代表される教育用ピアノ曲集で、初学者にも弾きやすい親しみやすい旋律が特徴です。本サービスでは、「素直な心」「アラベスク」をはじめ、25の練習曲 Op.100の第1番から第18番を収録しています。
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