説明
「アラベスク」とはイスラム美術に由来する唐草模様のことで、細かい音が途切れずに絡み合っていく様子がそのまま題名になっています。ブルグミュラー「25の練習曲」作品100の第2曲で、曲集の中でもとりわけよく知られた一曲です。発表会でも短い一曲として選ばれることが多く、この曲集の入り口として親しまれています。
右手の速い16分音符の流れと、左手の短い和音の応答が交互に現れ、やがて役割が入れ替わります。2拍子のイ短調で始まり、中間部はイ長調に開けて表情が明るくなりますが、再び短調の音型に戻って一気に駆け抜けます。30秒足らずの中に、1秒あたり10音を超える密度が詰め込まれています。
求められるのは、指の粒をそろえた速いパッセージと、手の受け渡しの正確さです。速く弾こうとするほど音が転びやすくなるため、まずは遅いテンポで16分音符を完全に均等にすること。左手の和音は短く軽く切り、右手の流れを邪魔しないようにすると、模様のような輪郭がはっきりします。
ブルグミュラーが作曲した初心者向けの練習曲集。曲ごとに標題が付き、技術と音楽表現を同時に学べる定番教材
「25の練習曲 Op.100」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
速い16分音符のまとまりと、もう片方の手の歯切れのよいスタッカートの組み合わせ。指の粒をそろえる練習です。
練習のポイント
- まず0.5倍速で、16分音符の一音一音が同じ大きさ・同じ間隔になるように。速さはそのあとで上げます。
- 16分音符を弾く手と、スタッカートを弾く手が入れ替わる箇所があります。流れる音符の色で、今どちらの手の番かを確認しましょう。
- 速度を少しずつ(0.5倍→0.75倍→1倍)上げていくと、崩れずに仕上がります。
この曲で試せる練習ガイド
ゆっくり練習のすすめ:再生速度とループの使い方
弾けない箇所を、速度を落としてループで繰り返し、段階的にテンポを上げていく方法。ループ範囲の選び方とノート速度との使い分けも解説します。
作曲家について
ヨハン・ブルグミュラー (1806-1874)
ドイツに生まれ、後半生をパリで過ごした作曲家です。バレエ音楽「ラ・ペリ」の作曲でも知られますが、今日最も親しまれているのは「25の練習曲」Op.100に代表される教育用ピアノ曲集で、初学者にも弾きやすい親しみやすい旋律が特徴です。本サービスでは、「素直な心」「アラベスク」をはじめ、25の練習曲 Op.100の第1番から第18番を収録しています。
ブルグミュラーの作品一覧を見る →