説明
「優美」という題が示す品位を、どう音にするか——それがこの曲の問いです。「25の練習曲」作品100の第8曲にあたります。ブルグミュラーが活動したパリでは、こうした優雅なサロン風の小品が家庭のピアノの中心的な楽しみでした。そうした家庭で好まれた優雅さが、この曲の品位にも映っています。
装飾的な音型が右手に置かれ、軽やかに回りながら旋律線を描いていきます。ヘ長調の3拍子で、30秒の中に300を超える音があり、密度は曲集でも高い部類ですが、性格は急がず優雅です。低いヘ音から高いヘ音まで、ちょうど5オクターブの幅を使います。
細かい装飾は、速さではなく軽さで処理するのがこつです。装飾音を強く打つと優美さは消え、練習曲の響きになってしまいます。装飾は主要な音へ向かう通り道と考えて軽く抜き、着地する音だけを支える。3拍子の重心を保ちながらそれができると、題名どおりの落ち着いた気品が出てきます。
ブルグミュラーが作曲した初心者向けの練習曲集。曲ごとに標題が付き、技術と音楽表現を同時に学べる定番教材
「25の練習曲 Op.100」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
「優美」。旋律を飾る装飾音(ターンなど)を、旋律の流れを止めずに優雅に入れる練習です。
練習のポイント
- 装飾音のある箇所を0.5倍速にして、何音で、どのタイミングで弾いているかを流れる音符で確認しましょう。
- 装飾音は急いで詰め込まず、拍の中に収まる自然な速さで。
作曲家について
ヨハン・ブルグミュラー (1806-1874)
ドイツに生まれ、後半生をパリで過ごした作曲家です。バレエ音楽「ラ・ペリ」の作曲でも知られますが、今日最も親しまれているのは「25の練習曲」Op.100に代表される教育用ピアノ曲集で、初学者にも弾きやすい親しみやすい旋律が特徴です。本サービスでは、「素直な心」「アラベスク」をはじめ、25の練習曲 Op.100の第1番から第18番を収録しています。
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