説明
嘆きといっても劇的な悲嘆ではなく、ひとりごとのような控えめな訴えを描いた曲です。「25の練習曲」作品100の第16曲で、フランス語の原題は「やさしい嘆き」を意味します。ブルグミュラーの標題は、その曲で求める音量と気分の幅をあらかじめ限定する役割も果たしており、ここでは「強く弾かないこと」がそのまま指示になっています。
旋律は短い音型を繰り返しながら少しずつ形を変え、和声はト短調の内側で静かに動きます。4拍子で、音域は3オクターブと狭く、大きな跳躍もありません。35秒ほどで終わる、曲集の中でも小さな曲です。
弱音でのレガートと表情づけが、この曲で身につけたい技術です。音数が少ないぶん、一音ごとの長さと音量の差がそのまま表情になります。同じ音型が戻ってくるたびにわずかに変化をつけること、フレーズの終わりを丁寧に収めることを意識すると、単調さから抜け出せます。ペダルに頼らず指でつなぐ練習にも向いた曲です。
ブルグミュラーが作曲した初心者向けの練習曲集。曲ごとに標題が付き、技術と音楽表現を同時に学べる定番教材
「25の練習曲 Op.100」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ブルグミュラー (1806-1874)
ドイツに生まれ、後半生をパリで過ごした作曲家です。バレエ音楽「ラ・ペリ」の作曲でも知られますが、今日最も親しまれているのは「25の練習曲」Op.100に代表される教育用ピアノ曲集で、初学者にも弾きやすい親しみやすい旋律が特徴です。本サービスでは、「素直な心」「アラベスク」をはじめ、25の練習曲 Op.100の第1番から第18番を収録しています。
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