説明
弱い音でどれだけ美しく歌えるかを問う、「やさしい花」という題の曲です。「25の練習曲」作品100の第10曲で、前曲「狩り」の力強さの直後に置かれており、曲集が音量と性格の対比を意識して並べられていることがよく分かります。
旋律はしばしば重音になり、柔らかい厚みを保ったまま穏やかに進みます。ニ長調の4拍子で、テンポは緩やか、音数も40秒足らずに270ほどと控えめです。中音域を中心に4オクターブ以内に収まり、大きな跳躍もありません。
弱音の質を整えることが、この曲の目標です。小さな音は、力を抜くだけでは芯を失い、音が抜け落ちてしまいます。鍵盤の底まで確実に下ろしながら速度だけを落とす——この弾き方を覚えると、弱音でも旋律が客席まで届きます。フレーズの終わりで音を投げ出さず、最後の音まで支えることも忘れずに。
ブルグミュラーが作曲した初心者向けの練習曲集。曲ごとに標題が付き、技術と音楽表現を同時に学べる定番教材
「25の練習曲 Op.100」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
「やさしい花」。2つの音をひとまとまりにする2音のスラーが続きます。1音目をやや重く、2音目を軽く抜く表現を学びます。
練習のポイント
- 2音目は手首を少し持ち上げながら離すと、自然に軽くなります。
- 和音のスラーでは、すべての音を同じように抜けているか耳で確かめてください。
作曲家について
ヨハン・ブルグミュラー (1806-1874)
ドイツに生まれ、後半生をパリで過ごした作曲家です。バレエ音楽「ラ・ペリ」の作曲でも知られますが、今日最も親しまれているのは「25の練習曲」Op.100に代表される教育用ピアノ曲集で、初学者にも弾きやすい親しみやすい旋律が特徴です。本サービスでは、「素直な心」「アラベスク」をはじめ、25の練習曲 Op.100の第1番から第18番を収録しています。
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