説明
羊飼いの音楽を描く「パストラール」は古くからの様式で、8分の6拍子の揺れる拍と、持続する低音による素朴な響きがその目印とされてきました。「25の練習曲」作品100の第3曲にあたるこの「牧歌」で、ブルグミュラーはバッハやベートーヴェンも用いたこの型を、初級者の手が届く規模に縮めています。
前の2曲より落ち着いたテンポで進むト長調の曲です。右手の旋律はしばしば3度や6度の重音になり、柔らかく厚みのある響きをつくります。左手は同じ音型を淡々と繰り返し、田園の穏やかな時間の流れを支えます。
重音のまま旋律を歌わせることが、この曲の課題です。2つの音を同時に鳴らすと、上の声部だけを立てるのが難しくなります。指の力を均等にかけるのではなく、旋律側の指にわずかに多く体重を乗せる感覚をつかむのが要点。8分の6拍子を6つに数えず、2つの大きな拍として感じられると、フレーズが長く息づきます。
ブルグミュラーが作曲した初心者向けの練習曲集。曲ごとに標題が付き、技術と音楽表現を同時に学べる定番教材
「25の練習曲 Op.100」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
6/8拍子の牧歌。8分音符6つを「3つずつ2拍」で感じる、ゆったり揺れるリズムを学びます。
練習のポイント
- 「1・2・3、2・2・3」と数えるより、大きな2拍で揺れるように感じると音楽が流れます。
- 設定でビートラインをオンにすると、拍の区切りが流れる音符に重なって見えます。
作曲家について
ヨハン・ブルグミュラー (1806-1874)
ドイツに生まれ、後半生をパリで過ごした作曲家です。バレエ音楽「ラ・ペリ」の作曲でも知られますが、今日最も親しまれているのは「25の練習曲」Op.100に代表される教育用ピアノ曲集で、初学者にも弾きやすい親しみやすい旋律が特徴です。本サービスでは、「素直な心」「アラベスク」をはじめ、25の練習曲 Op.100の第1番から第18番を収録しています。
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