説明
《パルティータ第1番》には性格の異なる2つのメヌエットが置かれており、ここではその両方が続けて演奏されます。第2メヌエットのあと第1メヌエットへ戻る「メヌエットI-II-I」の形は当時の定型で、のちの三部形式やスケルツォとトリオの原型にあたります。サラバンドの重さとジーグの疾走のあいだに置かれた、息継ぎのような位置です。
変ロ長調の3拍子。組曲の他の楽章に比べると音数は少なく、音域も狭く収められています。第1メヌエットは素朴な二声、第2メヌエットは分散和音を交えた軽やかな書法で、同じ拍子・同じ調のまま手触りだけが入れ替わります。
中級レベルで、この組曲では最も取り組みやすい楽章です。技術的な負荷が低いぶん、2つのメヌエットをどう弾き分けるかがそのまま演奏の質になります。テンポは変えず、音色とアーティキュレーションだけで性格の差を作ること。3拍を均等に並べず、1拍目に重心を置くと舞曲らしさが戻ります。
バロック時代の組曲形式の作品。様々な舞曲が連なり、バッハのパルティータは鍵盤音楽の最高傑作とされる
「パルティータ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →