説明
《パルティータ第1番》を締めくくるジーグ。バッハの書いたジーグの多くはフーガ風に書かれますが、この曲は例外で、6つのパルティータの中でも際立って名高い技巧的な終曲になっています。両手を交差させながら分散された3度を刻み続ける書法は、鍵盤音楽の中でも独特の見た目と響きを持ちます。
変ロ長調。左右の手が同じ音域を奪い合うように配置され、片方の手がもう片方をまたいで打鍵します。音型そのものは分散和音の反復にすぎませんが、手の交差によって、二本の腕から一本の連続した旋律が生まれているように聴こえます。
上級レベル。難所は指ではなく腕の運びにあります。交差のたびに手首の高さを変えず、肘から動かして軌道を確保すること。鍵盤から目を離せる程度に手の位置を覚えるまでは、テンポを上げても安定しません。音を外す恐怖から硬くなると、この楽章特有の軽やかさが失われます。
バロック時代の組曲形式の作品。様々な舞曲が連なり、バッハのパルティータは鍵盤音楽の最高傑作とされる
「パルティータ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →