説明
速く軽いイタリア型のこの舞曲を、バッハはフランス語の「クーラント」と区別して、イタリア語で「コレンテ」と書き分けました。《パルティータ第1番》の第3楽章はその後者で、荘重な付点のフランス式クーラントとは、同じ三拍子でも性格がまるで違います。
変ロ長調のまま細かい音符が途切れなく走り続け、前のアルマンドの重い歩みを一気に振り払います。左手も右手に劣らず動き、両手の音数の差はこの組曲で最も小さくなります。100秒ほどの短い楽章に800を超える音が詰まっており、密度は組曲随一です。
上級の難しさは速さそのものより、三拍子の骨格を失わずに走り切るところにあります。音符を等間隔に並べるだけでは、どこが小節の頭か分からなくなります。まず遅いテンポで各小節の1拍目を確かめ、そこを支点に速度を上げていくのが確実です。
バロック時代の組曲形式の作品。様々な舞曲が連なり、バッハのパルティータは鍵盤音楽の最高傑作とされる
「パルティータ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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