説明
1726年、41歳のバッハは《パルティータ第1番》を単独で出版しました。すでにライプツィヒのトーマスカントルとして20年以上の作曲歴を持ちながら、これが彼にとって最初の出版作品です。以後1730年まで1曲ずつ世に出され、1731年に6曲そろえて《クラヴィーア練習曲集 第1巻》としてまとめられました。初版にはケーテンの侯子エマヌエル・ルートヴィヒの誕生に寄せた献辞の詩が添えられています。
変ロ長調の4拍子。組曲の扉にあたる短い楽章で、右手が歌う旋律の下を、分散和音が絶えず流れ続けます。声部は多くても3つほど、音域も広くはなく、書法は徹底して澄んでいます。曲集の入口として、これから続く舞曲の世界を静かに示す役割を担っています。
上級レベルとされていますが、指の難所はほとんどありません。難しいのは、流れ続ける分散和音を伴奏として均一に保ちながら、その上の旋律だけを浮かび上がらせることです。両手を同じ音量で弾くと、この楽章はただの練習曲に聴こえてしまいます。
バロック時代の組曲形式の作品。様々な舞曲が連なり、バッハのパルティータは鍵盤音楽の最高傑作とされる
「パルティータ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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