説明
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)の作品に基づく一曲です。スカルラッティはスペイン宮廷に仕え、555曲におよぶ鍵盤ソナタを残した作曲家で、手の交差や大胆な跳躍を含む難曲で知られますが、クレメンティがここで選んだのは、初学者が弾ける穏やかなメヌエットです。
変ロ長調の3拍子。390音、1分半ほどの小品です。3拍子の舞曲としての性格が保たれており、右手の旋律は装飾を交えながら素直に歌います。左手は和音を刻むだけで、スカルラッティの原曲にあるような技巧的な仕掛けは持ち込まれていません。
初級レベル。メヌエットは踊りの拍子なので、3拍を均等に並べるとすぐ単調になります。1拍目に重心を置き、フレーズ単位で前へ運ぶこと。変ロ長調は二つの変記号を持つので、指の位置を音階で確かめてから入ると、読み違いが減ります。
クレメンティが1801年に出版したピアノ教本。バロック・古典派の名曲をピアノ独奏用に編曲した50のレッスンからなる
「ピアノ演奏法の芸術 Op.42」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ムツィオ・クレメンティ (1752-1832)
イタリア・ローマに生まれ、若くしてイギリスに渡り、ロンドンを拠点にピアニスト・作曲家・楽器製造業者として活躍しました。「ピアノ奏法の父」とも呼ばれ、教則本「グラドゥス・アド・パルナッスム」やソナチネ集は今日も学習者の定番教材となっています。本サービスでは、「きらきら星」の主題やハイドン・モーツァルトの旋律を用いた教本 Op.42の小品と、ソナチネ Op.36-1の楽章を収録しています。
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