説明
ヨーゼフ・ハイドンの作品に基づく一曲です。クレメンティがこの教本を出した1801年、ハイドンは存命で、ヨーロッパで最も高名な作曲家でした。1790年代には二度ロンドンを訪れて交響曲を発表し、この街で熱狂的に迎えられています。同時代の音楽をそのまま教材にできたのは、そうした土壌があってのことです。
ト長調の2分の2拍子。350音、50秒ほどの緩徐曲です。この曲集では珍しく、速さではなく歌を主題にした一曲で、右手の旋律には装飾音が書き込まれています。左手は和音を静かに置き、旋律を支えることに徹します。
初級レベル。遅い曲は音を並べるだけなら易しいものの、時間の扱いがそのまま表に出ます。装飾音は速く弾く飾りではなく、旋律の一部として歌わせること。音が鳴り終わるまで待てるかどうかで、この短い曲の印象は大きく変わります。
クレメンティが1801年に出版したピアノ教本。バロック・古典派の名曲をピアノ独奏用に編曲した50のレッスンからなる
「ピアノ演奏法の芸術 Op.42」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ムツィオ・クレメンティ (1752-1832)
イタリア・ローマに生まれ、若くしてイギリスに渡り、ロンドンを拠点にピアニスト・作曲家・楽器製造業者として活躍しました。「ピアノ奏法の父」とも呼ばれ、教則本「グラドゥス・アド・パルナッスム」やソナチネ集は今日も学習者の定番教材となっています。本サービスでは、「きらきら星」の主題やハイドン・モーツァルトの旋律を用いた教本 Op.42の小品と、ソナチネ Op.36-1の楽章を収録しています。
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